趣味悠々 1029:ロシア人排除の傾向


今回のロシアのウクライナ侵攻に対しては世界の自由主義国の多くは、ロシア国内での生産、対ロシアの貿易、金融関係で、ロシアからの撤退行動が顕著になって来ました。

スポーツ界や芸術界でのロシア排斥の動きも広がって来たようです。
パラリンピックでは、IOCが一端はロシア選手の出場を個人資格で認めたのです。
然しこれに対して、ウクライナの選手が、今回の爆撃で友人のウクライナ選手が死んで出場不可能になってしまったことを、委員会に訴えたそうです。その遺族に代わっての弁と断っての発言は「ウクライナにはロシアに殺されて出場出来なくなった選手出たのに、何故ロシア国の選手の出場が許されるのか?」と、涙ながらに訴えた由。この意見を受けて、IOCはロシア選手の出場を認めない決定を下したそうです。

音楽界では、サンクトペテルブルグ劇場の名指揮者ワレリー・ゲルギエフは、ロシアの侵攻が始まって以降、欧米でのオーケストラ指揮は相次いでキャンセルになりました。そしてミュンヘン・フィルの首席指揮者のポストを解任されたのです。

アメリカでも、ロシア出身で美人で人気の高い名ソプラノ、アンナ・ネトレプコは、近年NY・メトロポリタン・オペラの主役でしたが、今シーズン5月に出演予定のヴェルディの「ドン・カルロ」とプッチーニの「トゥーランドット」の出演を取り消されたとのことです。

この他、このようなロシア人排除の動きは、他の業界でも更に進展すると思われます。

ロシア以外の国民は勿論、ロシア人としてもこのような他国の動きは、非常に悲しいことでしょう。これが解決されるには、プーチン大統領が今の暴挙を即刻中止することを措いて、他にありません。

スポーツや音楽は、世界に生きている異国民同志の交流を円滑にし、世界平和を齎す格好の手段ではないですか。

この際、難しいでしょうが、各国首脳が一致して、プーチン大統領の説得を試みては如何でしょうか。


(令和4年3月10日)