趣味悠々 877音楽雑感


先週は、西宮の芸術文化センターの定期演奏会で、佐渡裕氏の指揮で、ユダヤ人音楽(これは意外に内容の濃い面白いモノでした)とベルリオーズの「幻想交響曲」を聴いてきました。
この曲は、学生時代から好きな曲で、東京にいた頃に色々聴いてきました。そしてこの曲ほど、指揮者によって、オーケストラによって、またホールの反響も含めて異なった音楽に聞こえるモノはないのではないかと思っています。日本のオケでも何回か聴きましたが、当時のLPでは、カラヤン・ベルリンやショルティ・シカゴなど、もとが名曲ですから、何時も楽しん聴いていました。

その後数年して、ミュンシュがパリ管弦楽団を率いて来日した時の演奏には、流石パリ管!これぞフランス音楽の神髄だと心底から感動しました。
その後、アンセルメがスイス・ロマンド管弦楽団が来日して
聴いたのですが、これがまた一味違う上品な演奏で、ジッと心に沁みる見事なものでした。

先日の佐渡裕、PACの演奏は、久し振りに弦楽器、木管楽器、金管楽器、打楽器を含めて、可なりレベルの高い演奏で、満足できました。ハープも良かったですね。
佐渡裕氏は、近年は半分くらいはフランスで指揮をしていますし、幻想にはフランス音楽としてそれなりの意欲をもって取り組んだ成果が出ていたように思います。
矢張り良い音楽、良い演奏をナマで聴くのは、人生の中でもとても素晴らしいことです。

話は変わります。先週行ったオペラ鑑賞会では、チャイコフスキーの「エフネギ・オネーギン」を取り上げました。
演奏には、大スターのアンナ・ネトレプコなどの見事な歌唱を含めて、皆さんに喜んで貰いました。この演奏は、NYのメトロポリタン歌劇場ですが指揮者はロシアの名指揮者、グレギエフで、主役歌手のネトレプコもロシア出身の名歌手です。他にポーランド人のテナー、バリトンを含めた役達者な歌手たちで、全般に迫力がありました。

余談でしょうが、私が密かに思いますのは、150年前のロシアの名曲を、アメリカ屈指のメトロポリタン歌劇場がロシア人の指揮者、歌手達を起用して、アメリカのニューヨークで演奏して、それが聴衆達に大喝采を浴びたのです。メトはそれを世界に発信して、私達がそれを日本で楽しんでいる訳です。これぞ、世界平和の象徴じゃないですか!!

トランプ大統領、プーチン大統領など政治家たちはもっと素直になって、このように先人たちが築いた文化を、一般市民たちが世界中でエンジョイしていることに、目を向けて貰いたいものです。
如何でしょうか。


(平成31年1月24日)