趣味悠々 897文芸春秋


月刊誌「文芸春秋」は、若い時から読んでいまして、受験時代に一時中断した以外は毎月読み続けています。サラリーマン時代に外国に出張した際も、ニューヨークなど現地で買える時は、買って読んだりもしました。
10年以上も前から現在も、年間購読していますが、最近の文芸春秋は、私の趣味からは次第に離れてきて、興味ある記事が減ってきていると思われます。

昔は、この雑誌を買ってきますと隅から隅まで読みましたが、この10年ほどは、読む気がしない記事が多くなってガッカリしています。それは、菊池寛の創刊の方針を受け継いだ昔の池島新平の時代に私は読み始めましたが、その頃に比べ、最近は編集方針が大きく変わってしまって、違う雑誌になった感じです。
嘗て文春記者であった半藤一利氏が、最近の文春が変わってしまった事実、背景、歴史に流れなどに就いて先月号で書いていました。これを読んで昔を想い出しましたが、内容はほぼ同感です。近年は、政治・経済・皇室・医療・宗教・社会など、あらゆる問題を取り上げていますが、雑誌としての編集方針や趣旨が伝わってこないのです。
そして時折3流週刊誌まがいのテーマや芸能人の記事やゴシップ等が出ると、思わず放り出してしまうこともあります。

また、私が読者としては、ほぼ最高齢に近い為に、この雑誌が対象とする読者層の感覚とは一致しないのもやむを得ないことでしょうか。知りたくもない皇室の嫌な裏話とか、中高齢者100万人の引きこもり、などの記事は飛ばしてしまいます。

それに、巻末に連載小説が5つも掲載されています。それぞれはそこそこ面白いのですが、月刊誌ですから毎回1か月振りに続きを読むことになります。高齢になると、1か月前に読んだ筋書きなどは、綺麗サッパリ忘れてしまっています。その為、連載が完結してから、本を買って通読しようかと思って、雑誌での連載小説は読みません。
7月号で認識を新たにした記事は、日産のゴーン前会長と共に起訴された彼の右腕と言われているグレッグ・ケリー氏の主張です。これによれば日産に西川社長の経営方針に関わる主張や彼の人間性までが疑われてしまいます。一読に値します。
これなら、日産の今後に余り期待しない方が良いのかもしれません。

もう一つは、ファーウエイ社の任CEOが説明する同社の経営方針、これまでの経営姿勢から、同社に対するアメリカ政府の疑いが真実ではないことの主張には、可なりの説得力があります。この問題はどのように解決するのか、見ものです。

雑誌の編集方針に関しては、違和感を感じますが、このように私どもが長生きをして、時代が変わりますと、社会や環境が変わって行くのは仕方ないことでしょう。
少々残念ですが・・・。

次の年間購読の更新は、確か8月号からですが、止めるか否か迷いました。これを止めますと、空いた時間を埋めるために、何か本を探して買うことになります。
文芸春秋は、400ページ以上はありますので、仮令、読まない文章を除いても割安かな、と思ったりしています。
今、年間定期購読案内の封書を見ながら、ショウーガナイ、また買うか、となりそうです。


(令和元年6月20日)