趣味悠々 915定期演奏会


阪神大震災の後、その復興記念行事の一つとして西宮市は、阪急・西宮北口駅の駅前に芸術文化文化会館を建設しました。芸術文化センターとの呼称ですが、大、中、小の3つのホールがあり、内装が木造の暖かい感じで、音の響きが優しく感じられます。
中ホールは演芸などの催し物で、未だ入ったことはありません。
ホール建設時から、音楽監督になったのが佐渡裕氏で、現在も続いています。専属のオーケストラにより、大ホールにて毎年10回の定期演奏会が金、土、日の3回ずつ行われています。

このオーケストラは、世界各地で若手演奏家の技能テスト会を毎年行って、楽員を募集しています。楽員に採用されると、その任期は3年間です。その間にこのオーケストラの楽員として演奏会にて演奏。その技能を習得して、日本を始め各国のオーケストラのメンバーに巣立ってゆく、という珍しいシステムです。

私共は夫妻で第1回からの金曜日の定期会員として、毎回定期コンサートに通っています。発足してから、もう10年以上を経過していますし、毎回一流の指揮者を迎えての演奏なので、技術レベルも向上して、毎回の演奏会が楽しみです。

どの演奏会でも感じるのですが、コンサートに行くたびに、矢張り「音楽はナマで聴くものだ!」と再認識しています。定期コンサートの利点が幾つかありますね。
それは、CDなどで既に習知している曲でも、ナマで聴くと楽器の編成や、共演部などで何か新しい発見があったりします。
そして、定期コンサートで初めて聴いて興味をそそられる作曲家や作品があって、自分のレパートリーが広がって行きます。

また、CDを持っているのに長い間聴いていない曲に、久し振りに再会して、記憶が蘇ったりする場合があります。

先週の18日の定期演奏会では、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲とプロコフィエフの交響曲第5番でした。韓国系ドイツ人のカンさんのヴァイオリンは完ぺきな技術と豊かな表現力で、聴衆を唸らせました。満点でした。
プロコフィエフの5番は久し振りだったので、事前に手持ちのCDで予習しました。が、矢張りナマで聴いてこの曲の面白さ、魅力を再認識した次第です。モスクワ生まれの指揮者・ヴェデルニコフの指揮も音色がよくリズム感があってバッチリでした。
今、この文を書きながら、5番のCDを再度聴いております。

これが第118回目の定期演奏会でしたが、昔1度だけ出張で行けなかったことがありましたので、通ったのは117回目になります。

来月は、ショスタコーヴィッチのチェロ協奏曲1番とマーラーの交響曲1番・巨人ですので楽しみにしています。ショスタコのチェロ・コン1番は聴いたことが無いので、興味があります。野球の巨人は今年はもう終わりましたが、今度はマーラーの巨人です。楽しみです。

ナマの演奏会はいいですね!


(令和元年10月31日)