趣味悠々 925:阪神大震災から25年


明日1月17日は、阪神淡路大震災から丁度25年に当たります。
当日の早朝、強烈な下から突き上げるような振動で目が覚め、「ああ、俺の命も此処までか!」と思った瞬間を今でも思い起こします。
震災直後に、東灘や住吉、芦屋方面で被災した人達が、親戚を頼って未だマシであった私どもの住宅地に少々の手荷物を抱えて大勢やってきました。皆、歩いて来たのです。私共の団地の人口は一挙に5倍くらいに増えたでしょうか。

それでも、神戸市の灘・芦屋地区界隈で犠牲になった人々を悼みながら、生き永らえたことにホッと一息でした。
そして、翌日から毎日全国各地からトラックの給水車が来て、これには全く頭が下がりました。給水車が山形や大分などのナンバーだと確認すると涙が出るほど感動しました。神戸まで1000キロもある道を走って来たのですからね!!
並んで給水を受けながら、この有難さを心に刻んだことを思い出します。

何故、今、ここまで震災の模様を記したかと言えば、明日の17日は私が定期会員になっている西宮の芸術文化センターの定期演奏会の日で、今年初めての定期コンサートがあるのです。
この芸術文化センターは、震災の復興記念として西宮市が震災後に建設した立派なコンサート・ホールなのです。
17日当日は、芸術監督の佐渡裕氏の指揮によりまして、阪神淡路大震災の犠牲者を偲びまして、フォーレ作曲の「レクイエム」が演奏されます。
演奏開始時間は通常ですと午後3時なのですが、明日は地震発生時間を12時間ずらし増して、午後5時開場、5時46分から演奏が始まります。
この「レクイエム」は、聴き始めますと何とも言えず、自然に黙って祈りを捧げることになる音楽なのです。

本日家にあるCDで、この「レクイエム」を聴きますが、明日は、犠牲者の皆さんの魂の叫びを感じながら、じっくりと冥福を祈ろうと思っております。

早いものですね。あれから25年です。当時大学生で休暇で帰宅中だった息子は、その後宮城県で東日本大震災も経験し、今年は子供たちが大学受験の真っ最中です。

一方、話は変わりますが、先週の11日(土)に私の団地で行ったオペラ鑑賞会は、ヨハン・シュトラウスの喜歌劇「こうもり」をやりましたが、カルロス・クライバー指揮、バイエルン国立歌劇場の名演が大好評でした。皆に喜んで貰えると嬉しいものです。

今年もボチボチやって行きます。


(令和2年1月16日)