趣味悠々 927:驚きの初場所



若い頃とは違って近年は、自分の趣味というほど、相撲に関心があった訳ではありませんが、今年の大相撲初場所は、驚くことばかりでしたので、一筆啓上することにしました。

先ずは、白鵬、鶴竜の両横綱が初日から平幕の遠藤に負けたりして、相次いで休場してしまいました。本場所に横綱が居なくなって、これでは横綱の土俵入りが無くなって、見物客も物足りないでしょう。寂しい限りです。

それに加えて、横綱に続くべき大関、関脇、小結などの三役にまるで元気が無く、貴景勝と朝之山以外は、負けが続いていました。
結果的には、15日間三役で勝ち越したのは、この二力士だけでした。三役で負け越したのは、豪栄道、高安、阿炎、大栄翔。これは情けないことです。

前頭筆頭の遠藤は、初日、二日目と連日横綱を倒して、優勝争いに出て来るのかと思ったのですが、その後パッとしませんでした。

優勝争いは、正代、徳勝龍と大関の貴景勝に絞られて、西の幕尻の徳勝龍が、千秋楽に番付トップの東大関・貴景勝と対戦することになりました。これも通常では考えられぬ取り組みでしょう。
この取り組みは,誰しも大関が圧勝すると予想するじゃないですか。
結局は、徳勝龍は前日優勝争いの相手、正代にも勝ち、更にこの千秋楽、結びの一番で、大関貴景勝にも完勝したのですから、これは見事な優勝と言えるでしょう。

結び後の決戦を待っていた正代は、この結果でさぞガッカリしたでしょう。

私を含めて、幕内・十両を往復していた力士、「徳勝龍」なんて言う名前さえ知らなかったファンが殆どではないでしょうか。
彼は、優勝の他、今回殊勲賞と敢闘賞も貰ったそうですが、当然でしょうかね。

幕尻力士の優勝は、貴闘力以来20年振り。奈良県出身者の優勝は、何と98年振りだそうです。

勝負の世界は何が起こるか判らないと言いますが、これほど専門家、一般ファンの予測に全くなかった結果が出たのは、驚きというしかありません。

場所後、大関からの陥落が決まった豪栄道は引退を表明しました。彼は今回が初優勝の徳勝龍と同い年だそうです。

来場所は、今回休んだ両横綱は回復しますかね?大関は、貴景勝一人になり、関脇に残るのが朝之山唯一人だそうです。彼は今回も10勝を挙げたので、来場所10勝以上なら、大関昇進になるそうです。

今の処、将来横綱になりそうな有望力士は見当たりません。大関も一人だけです。これでは両横綱も未だ引退は出来そうもありません。

こんな状態が何時まで続くのか、相撲協会も頭を抱えているでしょうね。


(令和2年1月30日)