趣味悠々 92続:音楽の楽しさ 


先週の続きです。オペラの本場は、矢張りイタリアでしょう。これを始めたのがモンテヴェルディですが、
これを訳すと[「緑の山」ですが、その名の通り、ルネッサンスの時代では、ダヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロなどの絵画を始め、音楽の分野でも、「山の緑」が人々を魅了するように世界を支配し始めていたのです。
音楽の世界では、あのモーツアルトでさえ、イタリアで認められることを求めて父親とイタリアに出掛けて、作品を披露していたのです。

オペラの世界では、モーツアルトの後に貴族社会や歌劇場経営者の要望に応えて、当時の音楽家たちに歌劇場で直ぐに実演するオペラの作曲を求めたのです。その結果、ロッシーニ、ドニゼッティ、ベルリーニ等の作曲家が現われて次々に作曲を行い、名作を発表して当時の貴族社会、音楽界を盛り上げ来たのです。
その後、ヴェルディ、プッチーニ等オペラ会を代表する作曲家が誕生して、数多くの名作を発表して、欧州での音楽文化が全盛期を迎えました。そして彼等の作品が世界各地のオペラハウスで演奏され、音楽愛好家たちを熱狂させて、今日に至っているのはご承知の通りです。
勿論、ドイツでもワーグナーを始めオペラが盛んになり、フランスやロシアでも音楽文化の中心として栄えていったのです。

我々は、これ等の文化、歴史的遺産の恩恵を被っている訳です。これを楽しまないのでは、これ程の文化遺産を残した先人に申し訳ないじゃありませんか!

交響曲に就いては、勿論定期コンサートを毎月聴きに行き、それなりに十分に楽しんでおります。室内楽もピアノソナタもありますが、私は特にベートーベンの16曲の弦楽四重奏曲が大好きで、これを何度も聴いております。ナマの演奏会にも出かけて行きます。
これ等の室内楽は、ドイツに出張中に知人の紹介で近くの教会でのこじんまりした演奏会などにも招かれてナマ演奏を聴いた時もジッと心に響きました。良い経験でした。
それと並んで、自宅で独り静かに聴くのも悪くありません。

音楽とはそんなものなのでしょう。CDやDVDも素晴らしいですし、生の演奏はそれにも増して心に直接響いて来ます。特にオペラの場合は一流の演奏を生で見る感動は、人生、生きていること幸せを教えてくれる最たるものではないでしょうか。


(令和2年2月13日)