趣味悠々 978:芥川賞の疑問


このような疑問に満ちた意見を表示すると、私自身の教養の無さ、文学鑑賞力のお粗末さをあからさまに公表することになろうかと思いますが、この際敢えて、芥川賞に関する私見を述べる事に致します。

私は、学生の頃より月刊誌:文芸春秋を欠かさず読んでおります。サラリーマン時代に海外出張の際にもアメリカなどでは現地で購読したり、帰国後購入して読むかしておりました。
その間、毎年発表される芥川賞の受賞作が掲載される3月号も毎回購読しております。

少なくともこの30年以上の間、芥川賞の受賞作品を読んで、成程文学界の新人賞に相応しい、と感じた作品は皆無なのです。
小説の筋書きとして、どれも魅力に乏しく、作者が何を言いたいのか不明な作品ばかりなのです。ストーリーに魅力がありません。文章も稚拙なものが多くてその都度ガッカリしております。

これは私の判断力が正常ではないかも知れないと、2.30年前より、毎回意識して気合を入れて受賞作を読み始めます。然しながら、読み始めて半分くらい読んでも、毎回感想は同じで、途中で読むのを断念してしまいます。
その為に、受賞作の選定を行う作家たちの選評がどんなものかと、これも読んでみます。
それでも納得が行くことはありません。

今月10日に発売の3月号での受賞作は、宇佐見りん著の「推し、燃ゆ」ですが、この作品を、何とか理解しようと気合を込めて読み始めましたが、半分ほど読んだ処で理解不能と断定して、ギブアップしました。
以上を考えますと、毎年の受賞者もさることながら、これ等を選ぶ選考委員の文学観というものに大きな疑問を感じてしまいます。

これに反しまして、毎年同時に発表される直木賞の作品は、どれも素晴らしいものが多く、流石!と感心するものが殆どです。これから判断しますと、審査員の意見と私自身の感覚はさほど変わらない、と思うのすが・・・。

以上、如何なものでしょうか?


(令和3年2月18日)