趣味悠々 986:高齢化と時代感覚 1


毎年歳を重ねていますと、その間に時代は新しくなって行きますが、己の感覚がそれに付いて行けていません。
実例は、あらゆる分野に及んで居ります。幾つかの具体例を如何に挙げてみます。

私は東京で生まれ育ったのですが、勤務の関係で神戸に転勤したのが40歳を過ぎた頃でした。最初は社宅住まいでしたが、その後神戸で今の家を買いまして、退職後もそのまま住んでおります。考えてみると、神戸での生活は東京で暮らした年数を上回って居ります。

「住めば都」とはよく言ったもので、神戸はソコソコの都会ですが、山あり、海あり、緑もあり、知人友人達にも恵まれまして、今ではワイフ共々このような年齢になっても、神戸での生活を存分に楽しんでおります。その点は何の不満もありません。
(子供たちも、それぞれ家庭を築いており、西宮、宮城県で元気に暮らしています)。
最大の問題は、この1週間、神戸市内のコロナ感染の急激な増加でしょうか。

従いまして、時たま東京に出掛けても、現在の東京はすっかり変わってしまいまして、違和感を感じることが増えました。渋谷、新宿、池袋など学生時代に遊んだ昔の街並みは見当たりません。JRの駅周辺の景色が全く変わっています。当然のことですね。然も現在は、これ等の駅で乗り換えずに西武線の練馬から東横線の日吉にまで行けるそうじゃないですか!
これでは、途中駅で友達と遊ぶ事なんかないのでしょうね。

一方、神戸界隈で生活しておりますと、知人友人達は、私の話す言葉は関西人のそれではなく、東京訛りのように聞こえるらしいのです。確かに、今でも関西でのテレビ放送でアナウンサー、司会者達が話す言葉には極めて違和感を覚えます。
地方によるアクセントの違い、コレは仕方ないことです。「雨」を関東ではア
ですが。関西ではメ と発音します。
関西のアナウンサーの最大の違和感は、友人同士で話す言葉と、皆の前で丁寧に話す言葉の区別がないことです。具体例を挙げますと、「矢張り」と言うべきところを、著名な司会者が「ヤッパ」と、何回も平気で言うのです。そのまま「ヤッパ」では文章にはなりませんよね。

私共が東京で育った小中学生の頃は,NHKアナウンサーの言葉遣いは、上司から繰り返し指導を受けていたようで、見事な標準語を話していました。
然し、地方の人達がその土地の方言を使うことには、何ら問題はありませんし、寧ろ、ズーズー弁の東北弁は今やド田舎でないと聞かれないし、英語より聞き取り難かった鹿児島弁などは風情があって、もっと残して欲しいと思っております。

それでも、こんな事が気になるようでは、私自身が時代遅れになっている何よりの証拠なのかも知れません。

時代の流れに付いて行けないのです。
ではまた、次回に!


(令和3年4月15日)