趣味悠々 1038: 絵の評価に就いて


先週の12日から今週17日にかけて、私が属する絵画の同好会の展覧会が、神戸元町の「街づくり会館」で行われました。

近年は、親友の会員が殆ど入会しないので、会員の平均年齢が上がってきました。
コロナの影響もありまして、私のの場合は時間はあっても「さあ、描くぞ!」という意欲が薄れているような気がします。
特に絵を描くには、これを描きたいというモチーフが必要なのはご承知の通りです。
それには、もっと気軽に電車や車で外出出来て、外の景色やその土地の興味のある風俗の人々や催し物などに出会う機会があるほうが良いのです。

それでも、同好会の同僚たちは、私より遥かに意欲的に絵画に取り組んでいる人が多く、それぞれ個性のある作品を出品してくれました。全体のレベルはそこそこ他人様に見てもらうに相応しい作品が並んでいました。

私の場合定年後に絵を始めるにあたって、最初に絵画教室に入りました。その際教えてくれた先生の絵に関する考え方に、成程と納得しました。
先生曰く、「観光地の絵ハガキのような絵は描くな。絵には描く他人が感じるその人の世界を描くのです」。換言しますと、景色からは自然だけでなくその周囲に住む人の生活感のようなものを描いて下さい」とのことでした。

この一言が、それ以来、私が絵を見るときの絵の価値観、評価のポイントになっております。

従って、建物を見事に描いても、その歴史、風俗、利用する人々などを感じさせないと、その作品を評価できない感じなのです。
そんな訳で、ちょっとした景色の絵でも、人の姿が加わることによって、その作品に親しみを感じてしまいます。
そんなことに全く関心を払わない人の作品には物足りなさを感じています。

これが私の絵の評価基準の一角を占めております。


(令和4年5月19日)