趣味悠々 1042: 素人絵画の評価基準


この5月に神戸、元町で行った私どもの絵画同好会の展覧会に、私も3点を出品しました。
絵画に関しては、引退後に始めたこともあり、同好会の周囲のメンバーの作品のレベルも高いので、己の作品にはまったく自信がありません。
ところが、今回の展示会出品の3点に関しては、友人、知人たちから色々なコメントを貰いました。
それによって気が付いたことは、これ等のコメントに関して、絵の評価基準が、私のソレとは少々異なることでした。

一般的には、輪郭がハッキリして強めの線で掛かれ、且つ明暗を強調した絵画の評価が高いということでした。

私の信じる絵画の評価基準は、少々異なります。江戸時代の浮世絵が外国で何故高い評価を得たのでしょうか。
以下、私見を述べます。
1.先ずはモチーフです。江戸時代の浮世絵の題材が当時の日本の庶民生活を表現していたことが、欧州で注目され高い評価を得ました。
2.風景画は単なる景色ではなく、人間の生活や周囲の雰囲気等が具体的に描かれていたことが、日本の文化として欧州人を魅了したのです。
大きな波の狭間に鮮やかに見える富士山。名画ですね。
3.従って、現代の絵画もそれが建築物や人物であっても、現代の私どもの生活を間接的に表現したものが評価されるべきでしょう。
4.単なる風景画でも、建物や橋梁、鉄道など、住民の生活が感じられ、間接的に現代の雰囲気が表現されることが望ましいことでしょう。
5.風景に人物が加わると、人間社会が素直に表現されてきます。
6.人物の表現も、女性の裸体画は多いのですが、我が国の和服の女性姿の絵画はその10%も無いようなが気が致します。同じ和服でも、舞妓さんは玄人なので、寧ろ成人式に見る和服の若者の爽やかな姿が魅力的です。そのような和服姿によって、日本の文化が表現出来れば、後世になっても、外国人にも評価されるでしょう。これこそが絵画の本質ではないでしょうか!

絵画を評価する場合に、このような基準が念頭にない評論家が多いことに、少々がっかりしております・
以上


(令和4年6月16日)