趣味悠々 1073:文芸春秋100周年
文芸春秋が発刊してから100周年を迎え、文芸春秋社は昨年末に発刊した新年特別号から100周年の特集を満載した記事を掲載しています。記事の対象には、文芸から離れて日本社会全般にわたっての記事が満載されているのです。読み切るのに往生しました。
今月に発刊された2月号の掲載記事もまた、日本国が抱えている様々な問題点に対して、101の提言を行うなど、本来の文芸からは遠く離れた観点からの記事が満載されているのです。
テーマとしては、日本国の政治、防衛問題、皇室制度・天皇制、経済、技術、産業界、医療・教育問題、スポーツ等など、多彩に渡っています。
その道の専門家、評論家が執筆しているので、内容の多彩さ以外にも、各テーマの本質に突っ込んだ提言を簡単には読み熟せないほどの、内容の濃い文章ばかりです。
私は、文芸春秋は高校生の頃から欠かさず読んでおります。出張先のアメリカでも本屋を探して買ったりしました。現在も、年間購読をしており、毎月欠かしたことはない文春の継続的なファンなのです。
その私が、この際以下の苦言を呈したいのです。
文春の編集者が、この100周年記念と真剣に取り組んでいるのは理解できます。然しながら、日本の体制、政治、皇室、経済、技術、医療等の問題と、真正面から取り組んで、すべてを記事にするのは、雑誌「文芸春秋」として如何かと、疑問を持ちます。
編集に力が入っているのは判りますが、創刊者・菊池寛の意図からは少々外れてはいませんか。矢張り、文春の根幹に文芸が絡んでいるか、世間を稍々高度から含蓄を含んだ眼で見る洒落っ気がないと、単なる総合雑誌に成り下がるではないですか!!
このような編集が続くのであれば、年間購読も考え直さねば、と思ったりしております。
これでは、菊池寛も黙ってしまって、物も言わないのではないですか。
「菊池寛ではなく、口キカン」のダジャレが活きてきますね!
(令和5年1月19日)
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