趣味悠々 863今月の音楽鑑賞


今月楽しんだ音楽が幾つかありますので、記してみます。

8月、9月とやっているMETのオペラの映画の特集が全部で18もあります。その中の殆どは、ブルーレイで録画したディスクを私は既に持っていますので、わざわざ3500円も払って映画館に行くことはありません。
ディスクを持って持っておらずに、興味がある演目はこの際映画館に見に行くことになります。

今月の第2週に、チャイコフスキーの「エフゲニー・オネーギン」がありまして、これを独りで見て来ました。ゲルギエフ指揮で、ホヴォロストスキーとルネ・フレミングの競演で、十分に堪能出来ました。両者の歌唱は文句なしで、特にフレミングが素晴らしかったですね!彼女がソプラノとして長い間メトで主役を演じてい理由がよく判りました。
チャイコフスキーの音楽の真髄はオペラを観ないと判らないと私は以前から主張しています。このオペラは、全般の音楽の内容が濃く、「スペードの女王」と共に傑作であることは判っていましたが、今回このオペラを観てチャイコフスキーの真価を再認識した次第です。

私は録画ディスクによるオペラ鑑賞会を毎月主催していますが、今月は2ヶ所でヴェルディの「リゴレット」をやりました。これは昨年7月にフランス南西部のオランジュの野外劇場で行われた音楽祭で行われたものです。ローマ時代に建設され現在も壁面が残った遺跡の野外劇場で行われたものです。
何といっても「リゴレット」はヴェルディの傑作で音楽全般が完璧で非の打ちどころがなく、タイトル・ロールのバリトンのレオ.ヌッチと新鋭ソプラノのナディーヌ・シエラの歌と演技が最高でしたので、皆さんに存分に喜んで貰えたようです。オペラは皆で楽しむのが一番です。

今月の14日には、西宮での兵庫芸術文化センター管弦楽団の定期演奏会、今シーズンの第1回の演奏会があり、それに行ってきました。
私は身体を壊して今年前半を棒に振り、昨年秋以降1年近くもナマの演奏会には行っていませんでしたので、久し振りにナマの音楽会を楽しんだ訳です。

佐渡裕氏の指揮で、曲目は2時間近くに及ぶハイドンの壮大なオラトリオ「天地創造」でした。これを生で聴くのは初めてでしたが、スケールが大きく、ソプラノ、テナー、バリトンの3人の独唱と100人に及ぶ男女の合唱団とが、オーケストラと競い合って、ハイドンが意図した気品のある音楽を奏でる様は、聴く者を見事に魅了致しました。
この「天地創造」がこれ程の名曲であることを改めて認識した次第です。そして素晴らしい音楽のナマ演奏には生きている喜びを感じます。
シーズンの開幕にこの曲を選んだ佐渡裕氏の意図に心を揺さぶられました。

音楽は素晴らしいですね!!


(平成30年9月20日)